10年以上勤めたパティシエから転職をいたしまして”デザイナー”の世界に飛び込んだ、1年目Webデザイナー、なっちゃんです!
職業訓練校を修了し入社したのは、デザイナーが私(実務経験無し)しかいないという小さな会社。
仕事の中でバナーやDMを作るんですが「う~ん、何とか形にはしてるけど・・・何かが足りない!何かダサイ!?どこをどう変えればいいのか誰か具体的に添削して~!(社長のなんとなくのアドバイスじゃなくて)」と、闇雲に作っては消してを繰り返し。
そんな「なんかダサイ」に一筋の光が差すようなおすすめ本があります!
今回は、デザインをしていて「なんかダサイ」と行き詰まった時に役立つ「けっきょく、よはく。」をご紹介します。
デザインに興味のある方。
自分のデザインをワンランク上に持っていきたい方。
ぜひ今から紹介する本「けっきょく、よはく。」で、私と一緒に自分の中の「なんかダサイ」を克服しましょう!
デザインは「余白」が9割。
いやめっちゃ分かる。かく言う私もモリモリのデザインをしてしまいがち。
迷走して盛ることに逃げてしまう自覚があるので、本の帯に書かれた「デザインは余白が9割」この一言が身に染みます。
「余白ができる」のではなく、「余白を作る」「余白をデザインする」
それは、私にとって全く新しい概念でした。
「情報がより整理され、デザインがより洗練されている」=「余白」
本の冒頭に掲げられたその方程式に、読む前の私の頭には『?』が浮かんでいました。
しかし、この本を眺めるだけで「何となくだけど分かったぞ・・・!?」と視覚的に説得されます。
忘れがちですが、レイアウトデザインは情報や思いを伝える為のツールです。
必要な情報を精査し、読みやすい・見やすい・印象に残りやすいよう形を整えてアシストするものです。
デザインを盛って隙間をなくしても、伝えたい情報がそこに埋没してしまっては元も子もありません。
覚えた装飾や演出を駆使してモリモリデザイン!から一歩引いて、無駄な物を削るのは勇気が要ります。「せっかく作ったのに~!」のもったいない精神からの脱皮が必要なんです。
「けっきょく、よはく。」では、余白をデザインすることでどう変わるか?を大きく取り上げています。
その余白はどういう意味があって存在するのか。
もちろん解説もありますが実際に自分で見比べ、その意味を目の当たりにし、体感することができる。
「余白」が生む、「より整理された情報」「より洗練されたデザイン」
その魅力への体感は、論理で説明されるより力強い説得がなされます。
「けっきょく、よはく。」
ついデザインを盛りすぎてしまう新人さん”のレイアウトを、”しゅっとしたデザインを得意とする先輩”が添削していく。という形式で進みます。
1つのレイアウトに対して、
1,新人さんのデザイン(NG案)
2,先輩の修正デザイン(OK案)
3,NG点ピックアップ
4,修正の意味を解説
5,その他のOKデザイン
6,豆知識的アドバイス
上記の通り、6ページに渡りデザインの解説がされます。
ひとつの題材に6ページの解説はかなりていねいに解説されてると思うんですよね・・・かつ、読みやすいって神か、と。
一冊で、34点もの様々な題材のレイアウトが掲載されており、そのバリエーションも豊富です。
机に向かって「さぁ勉強だ!」と気合を入れて参考書を開くのとは違い、綺麗で洗練されたデザインは見ているだけで楽しいです。
肩に力を入れて読まなくても、見開きいっぱいに掲載されたデザインはするすると入ってきて、その分素直に学ぶことができます。
この本のオススメ3ポイント!
1,見やすいレイアウト
一番のオススメは、見やすい紙面レイアウトです。
文字ばかりではなく、デザインが大きく載っているので目で見て楽しいし、パラパラと眺めるだけでも良いデザインを目にすることができます。
目次にも大きめにデザインが掲載されていることで、自分の興味のある部分をピックアップしやすく、実務でも「こんなレイアウトにしたい」と、字引きのように使うことができます。
2,デザインのバリエーションが豊か
34点の題材には、チラシはもちろん、パッケージや名刺、カタログ、果ては特集ページの文字組に至るまで!痒いところに手が届きまくりなんですが、さらに1つの題材に3つはOK案を提示してくれるのでバリエーション的には100点以上。
実務では、複数のデザイン提案をしなければならないことがあるので、ひとつのデザインに複数のOK案が掲載されていることは本当に嬉しいし助かります。
あと、改めてデザインに絶対の正解はないんだぞと言われたようで、視野が狭まっていたなぁと感じました。
3,まるで私?新人さん
主人公としてNG案を出してくれるキャラクター、新人のいまいちさん。
そんな彼女が持ってくるデザインは、NG案といっても、あからさまにダサい訳ではないです。私からは「OKじゃないの?」と思うようなデザインでも、先輩が洗練されたものに仕上げるのでオドロキ・・・
彼女が「こうしたかった」ことや「ここを工夫したけど逆効果!」など、制作する上での思考を呟いてくれます。
そんな言葉に共感するからこそ、先輩の辛辣コメントが身に沁みたり、OK案から「私はこうしたかったんだ!こうしたら良かったんだ!」を実感します。
まとめ
きっと、「けっきょく、よはく。」を読んだなら。
デザインに興味のない方は、電車の広告もまじまじと見てしまうようになるでしょう。
デザインを見るのが好きな方は、自分だったらこうするのにと考えるようになるでしょう。
今よりもっとデザインを学びたい方は、レイアウトの意味や、余白の意義について知ることになるでしょう。
オススメの本は?と聞いたなら、デザイン分野の方が全員と言っても過言ではないほど挙げる本です。なので、自信をもってオススメします!
私がデザインの仕事に興味を持ったキッカケの本でもあるので、ぜひとも読んでいただきたい一冊です。
きっと、すこし世界の見え方が変わります。